「資産形成のためには節約が大事」と常々言っておきながら、
お墓、買ってきました!
(続編です。)
昨年2月に、母が亡くなりまして、1月末に一周忌法要を済ませてきました。寒い時期を避けて、遅ればせながら、今春に墓石を建立することになっております。
週末の土曜日、実家へ日帰りで帰省し、父と姉2人と一緒に、4人で石材店へ。事前に店にはアポイントは取ってあります。
墓地には、業者登録している石材店が幾つかあります。その中から 実家の父が選んだのは、隣町にある老舗店。特に古い知り合いではないみたいですが、私もよく知っている大きな古いお店です。
1.墓地区画
我が家の場合、墓地区画は、すでに父が購入していました。今回、その墓地区画の証書を見たら、購入したのは昭和50年。当時の購入価格は、135,000円。
昭和50年当時の大卒初任給が、89,300円ですので、 今でいうと40万円くらいでしょうか。 現在の周辺の墓地価格を調べてみましたが、 現在の貨幣価値に換算しても、若干安いくらいで、メチャクチャ安い、 というわけではないようです。
という訳で、我が家は、墓地区画はあるので、今回は「墓石だけ」の購入です。
2.決定権、我が家の場合
昨年の通夜葬儀からもそうでしたが、私自身は、全く儀式とか伝統 、宗教にこだわりが無いので、実家の父と姉たちが納得するよう、 反応を見ながらの判断になります。
表面上の喪主・施主は私なのですが、 家族のコンセンサスを取るのも大事な仕事です。ちなみに墓石購入のコスト負担、建立者は私です。
高額の買い物なので、私一人で買うのであれば、 相見積を取るところですが、昔気質の父の場合、「一本勝負で、 値切り勝負」なのは分かっているので、その辺はすでに諦めています。
特に、父にとっては「自分自身も入る墓」なので、意気込みが違います。今回の最終決定権は父なのは、我が家でも暗黙の了解。
さて、石材店に着いたら、軽く経緯の説明などしながら、用紙に名前や連絡先、宗派、墓地、建立予定日などなど、 基本情報を書き込み、打ち合わせの開始です。古くから墓地に出入りしている業者さんなので、現地の地図や名簿なども持っていて慣れています。話が早い。
3.巻石
初めに、巻石の話になりました。
巻石とは、墓地の区画の枠、境界線の石のことです。この巻石も、良い石材に替えて作り直す家もあるそうなんですが、 我が家の墓地区画は、既存のコンクリート材のものがあって、もしこれを作り直すと、施工期間もかかるし、お金もかかります。
と言う訳で、我が家は、既存の巻石をそのまま流用します。
下の写真が我が家の現在の墓地区画。左斜め奥の墓の巻石が艶っぽ い良い石なのが分かります。お隣さんは、良い石で作り直したんですね。
4.サイズ・形状・仕様
そして、サイズです。
店側の話によると、私の実家あたりでは、客層の6割以上が「8寸サイズ」だそうです。メインの墓石の幅が8寸(約24センチ)です 。全体の墓の高さは125センチくらい。
他にも大きな「9寸」「10寸」があるそうですが、あまり数は出ないそうです。
墓場で目立ちたくもないし、とにかく普通でいいと思っているので 、我が家も「8寸サイズ」を選択しました。
形状、仕様などを、展示品サンプルを見ながら決めます。
特にこだわりも無いので、 店側に言われるまま、オーソドックスなものにしました。下の写真が、その8寸の展示品。我が家は、この形状・仕様にしま した。石は、この写真とは違います。
5.「石」
さて、問題の「石」です。
費用的には、こいつが最大のポイントです 。その石材店には、80種類の石があって、 いくつかサンプルを見せてもらっては、 概算金額を教えてもらいます。
以下の金額は、石材、加工費、施工費など、すべて込みの価格( 税抜き)です。
国産最高級品の、「庵治石(あじいし)」だと、400万円。一応、サンプルを見せてくれます。四国の超有名な石だそうですが 、まあ参考程度です。特別な石材だと、納期も延びてしまうそうです。
次に、私の実家あたりでは一番よく売れているというオーソドック スな御影石で、茨城県産の「真壁石の小目」が、150万円。石材の在庫も豊富にあるので、納期的にも短くて済みます。
「小目」と言うのは、目が細かいという意味で、どうやら、 石の目が細かければ細かい方が、墓石としては良いらしいです。サンプルを見比べてみると、なんとなく判ります。
そして同じ「真壁石の中目」(少し目が荒いもの)で、 135万円。
最近は、中国産の石材を使うことも多いそうです。「中国産の御影石」で、115万円。見た目には、150万円の国産真壁石とほぼ変わりはありませんが、 目の細かさが微妙に違います。墓地に建ててしまえば、おそらく、その差はわからないと思います。
(下の写真の、上段が中国産、下段が国産。中国産の方が、 石の目が少しボンヤリしています。)
しかし、私の隣に座る「ザ・昭和一桁生まれ」の父をチラリと見る と、案の定、中国産への反応は悪し。眼中にありません。やはり、中国産はムリそうです。
その後も、いろいろと石のサンプルを見せてくれますが、 色目を見て、値段を聞いてもピンと来てない様子。隣で父の様子を 眺めていると、150万円のサンプルに惹かれている雰囲気です。典型的な日本人の発想。「中の上」好み。
この辺りになると、店側の営業トークも、先の真壁石の150万円か?135万円か? という勧め方になってきました。
私自身は、お金を出すだけで、全くこだわりがありません。ただ、 予算的には、おおよそ200万円くらいを想定していたので、 ここまでは想定内の展開。
黙って戦況を見極めます。
あとは、父と姉たちが、納得すれば、それで良し。
そうこうしていると、思ったとおり、父が、150万円のサンプルを指差し、「これでい いんちゃうか?どや?」と聞いてきます。
「ええと思うよ。」と頷く私。
隣の姉たちも横で、ご納得の様子。
はい、決まりです!
この後は、お約束の「ちょっと負けてーな」という父の関西人らしい 泥臭いやり取りの末、店側が消費税分を値引きして、税込みで150万円で落ち着きました。
真壁石(小目)の8寸サイズ、
1,500,000円也。
加工費、施工費すべて込み込みです。
墓石の開眼供養の日には、石材店も立会いして、手伝ってくれるそうで、当日、何をどうするのか私たちは何も知らないので、助かります。
6.詳細確認
その後は、墓石に彫る文字などの細かい確認です。
・正面の表示は、「〇〇家之墓」でいいか。
「南無阿弥陀仏」とする家もあるとか。
・故人の戒名、俗名、享年、命日。
・建立者の名前。
・家紋。
・名前を彫る位置などの確認。
その他にも、
・命日の日付の後に付ける漢字を「没」「亡」「寂」「往生」など から選択。
我が家は「往生」を選択。
・亡くなった年は、「行年」か「享年」か。
我が家は、「行年」を選択。
・年齢表示は、「歳」か「才」か。
我が家は、「歳」を選択。
・彫った文字に入れる色。
故人の名は紺色。
家紋は白色。
生きている父や建立者の名前は赤色。
などなど、細かい仕様の確認をしました。
その他にも、墓石の開眼供養の儀式の段取りや、 準備する物なども教えてもらい、店での滞在時間は、1時間半くらいでした。
7.今後の流れ
ほぼ発注は確定ではありますが、正式には、 店側が墓地の現地確認をしてから、原寸大の文字のデザインや図面 ・見積書類を提示してもらうまで、約7日から10日間。それらを確認した上で、正式発注となります。
墓地への据え付け工事については、石材店から直接墓地の管理事務所へ申請手続きをしてくれるそうです。
石材店によると、4月中旬頃までには建立可能とのことなので、ゴールデンウイークの私の帰省時期に合わせて、 墓石の開眼供養と納骨ができるように、お寺にも日時の予約アポを取りました。
墓地での「納骨」作業は、 墓地の作業スタッフが行うルールらしいので、 墓地の管理事務所にも日時を予約しておきました。
ちなみに、我が家は、お墓が無く、納骨をしないまま、一周忌法要 まで終わらせてしまいましたので、少し変わった順序です。
お墓がある場合、一般的な納骨は、四十九日法要の後または、 一周忌法要の後に、納骨式を行うことが多いようです。
今回の我が家の場合は、「法要は無し」ですので、 墓石開眼供養と納骨は、こじんまり「近親者のみ」で行います。
ちなみに、墓石開眼供養・納骨のお布施は、40, 000円を予定しています。(30,000円+車代5,000円+粗飯料5,000円)
墓石の開眼供養は「祝い事」なのだそうで、お布施の袋は「赤白」 なんだとか。不思議な感じです。
兎にも角にも、また一歩、進みました。
8.他人の正解は、あなたの不正解
今まで記したのは、私の実家のケースであって、他の家では違うか もしれません。
このような葬祭関連の話は、なかなか経験しないことなので、 判らないことばかり。地方や地域、宗派、お寺、家によっても、やり方が「 まったく違う」ので混乱の連続です。同じ地元でも、お寺と葬儀屋で言うことが違うこともあります。
とにかく現地の情報を集めて、家族と相談して、 判断するしかありません。
現地のお寺や葬儀屋は、「当たり前」のようにドンドン話を進めていくので、一つ一つ、「無知」を最大の武器にして、細かく質問してクリアにしていきましょう。知ったか振りはいけません。
特に、葬祭関連のネット検索結果だけで済ませないこと!たくさんネット記事は溢れていますが、あくまでも「参考程度」にしましょう。
同じ国でも、驚くほど違いますからね。
他人の正解は、あなたの不正解。
次回へつづく。。。